情操教育にフォーカスした
心豊かな人間を育てる3つの目標

建学の精神は「すべての人に与えられている個性を生かす教育の場を願う」。これは、金光教の「人はみな等しく神の氏子である」という教えに基づいている。地域社会と共存し、安心して通える学校運営を行っている。

この建学の精神をもとに「確かな学力」「豊かな情操」を教育方針に据え、心豊かな人間育成に注力している。ここで重要なキーワードとしているのが「感謝・努力・感動」。思いやりの心を持つこと、日々勉強している机や椅子などのものに対して「感謝」すること。そしてあきらめずに「努力」を続けること。最後に何事にも素直に「感動」すること。この3つの目標を掲げ、日々の教育活動に反映させている。「生徒たちが将来社会に貢献できる人材となるためには、次世代で必要とされる資質や能力を伸ばしていかなければなりません」と岡田校長。その言葉どおり、多様な個性を開花させる教育プログラムが展開されている。

学習環境もアップデートを続けている。2015年に30周年記念事業の一環として武道館が完成。美術室や音楽室、理科室もリニューアルされ、自習室を新たに設置。中でも「Tatami Room」がユニーク。文字どおり畳が敷かれた教室だが、昼休みなどに開放してイングリッシュルームとして活用されている。このアイデアは生徒たちから発信されたという。さらに充実した学校生活を送ることができるよう、2021年に制服をリニューアル。流行を取り入れ、魅力もレベルアップさせている。

可愛く、機能的な制服
可愛く、機能的な制服

デジタルとアナログを見事に融合
学習・生活習慣を手厚くサポート

入学時から2コース制を導入している。難関国公立大学への進学を目標とする『S特進コース』と基礎・基本を徹底し、有名私大への現役合格を目指す『特進コース』だ。日々の授業では、学習習慣と基礎学力の定着に重きを置き、「確かな学力」の向上を図っている。珍しいのは、中3進級時にコースの再編成を行う点。ある一定のハードルを課すことによって、学習内容が定着していく。高校進学時も内部進学学力検査を行う。近年は、京大・阪大・奈良県立医科大学医学部医学科などに現役での合格者を輩出し、同校での学びの質の高さが表れている。

すべての生徒は、iPadやアプリケーションの活用など、先進的ICT教育により、いつでもどこでも何度でも学習が可能。しかし「授業の原点は対面」との想いから、デジタルとアナログのハイブリッド型授業を行っている。教員は生徒一人ひとりの表情や雰囲気を読み取り、生徒は教員の熱量を感じながら授業に臨む。岡田校長は「リアルコミュニケーションがあってこその教育現場です」と話す。

デジタルとアナログの両立で次世代で必要な力を養成
デジタルとアナログの両立で次世代で必要な力を養成

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