滝川伝統のリーダーシップ教育
ジェンダーに捉われない学びの場を提供

1918年の設立以来、県下屈指の男子校として2万人以上もの卒業生を輩出してきた。100年以上の歴史の中でゆらぐことなく守り務めてきた3つの校訓がある。自分に誇りを持ち、志を貫き通す「至誠一貫」、自分を律し、本質を捉え力強く生きる「質実剛健」、大きな心で社会と共に生きる「雄大寛厚」。これらを礎に生徒を次世代のリーダーへと導く方針こそ、「滝川リーダーシップ教育」だ。「滝川の教育理念をベースにした滝川リーダーシップ教育は、性別に一切捉われていません。むしろ、現代女性にこそ向いていると考えています」と下川校長は話す。

共学化で一層深まる滝川リーダーシップ教育
共学化で一層深まる滝川リーダーシップ教育

2020年にコースを改編し、今年度よりさらにグレードアップさせた3コースがスタートした。「コースや制度の改編、そしてトイレや更衣室などの物理的な面に至るまで、共学校としての準備は整っています。女子を受け入れることに教員側にも緊張感はありますが、向き合い方に違いはありません。今後も未来社会で活躍するリーダー育成に努めていきます」。下川校長の言葉どおり、真面目でたくましくおおらかな人物、そして社会に有為な人物育成を目指す滝川教育。ゆるぎない教育理念と信念が、生徒たちをニューリーダーへと成長させていく。

3コースのうち2コースで共学募集
『医進選抜』『Science Global一貫』

3コースのうち、2コースを共学で募集する。まず『医進選抜コース』は、医学部・医学科への進学を目指す学生を対象とするが、大学進学が唯一のゴールではない。社会に貢献できる人材として、強い使命感を持った医師の育成を目的としている。そのために、高品質で充実した学びを提供するだけでなく、体験学習にも重点を置く。たとえば、近隣の医学部や医科大学との連携による医療体験実習や、OBによる医学部での経験を踏まえた講演、薬学や看護とのチーム医療についての考察など、多様な取り組みを用意。自主性や協調性、倫理観を培うことで、真のプロフェッショナルへの第一歩を踏み出すことができる。

次に、『Science Global一貫コース』。理数科目を重視したカリキュラムに加えて、実践的な語学力を身に付け、国際社会への貢献ができる人材を育成するコースだ。特筆すべきは、中学3年生の3学期に行われるニュージーランドへのターム留学。異なる文化、習慣、価値観を理解することで、豊かな人間性だけでなく、自己主体性やグローバルスタンダードを身に付けることができる。「理数科目を強化していますが、理系に特化することを目指しているわけではありません。論理的な思考力や学び続ける姿勢に重点を置いています。女性たちを見ていると、論理的で根気強い方々が多いように感じます。その点においても、カリキュラムや学びの内容を変える必要はないと考えています。逆に、これまで続けてきた改革が、現代ニーズにマッチしてきたと言えます」と下川校長。学力と語学力を同時に向上させ、向上心旺盛な人材を育成していく。

次ページ → 自由な行動力と社会的知性が養われる ユニークなコース『ミライ探究一貫』

1 2 3