人づくりに主眼を置いた清風教育
学力向上につながる人格形成

学力面では、東大・京大や国公立大学の医学部医学科への現役合格など、堅調な実績を誇る。教育方針は「徳・健・財」を身に付け、社会のすべてから「安心・尊敬・信頼」される人材を育成することだが、特に徳育面においては、保護者から厚い信頼が寄せられている。「人の在り様が赤裸々に表れる情報化社会の今、周囲からも容易に評価が下されてしまいます。そのため、受験優先の教育では意味がありません。自律心をもって節度ある行動をし、社会から信頼される人を育てる徳育こそが、私たちに求められていることだと実感しています」と平岡校長。

日々欠かさず行う朝礼も、実は徳育の一つ。勉強に向かう姿勢や日常生活の礎となるような話を通じて、"清風魂"を体得させている。さらに、教職員も朝礼に毎日耳を傾け、一体感が高められている。生徒と教職員が同じビジョンを共有しながら授業や行事に取り組むことで、清風教育はより一層深まっている。教育理念を表すかのように、「人の役に立ちたい」と医師を志し、医学部医学科を進路に据える生徒も多いという。清風独自の徳育が、学力面につながっていると言える。

京大・東大への推薦合格者を輩出した
本質を追求し続ける教育プログラムに注目

各方面から高い評価を受ける読書論文指導
各方面から高い評価を受ける読書論文指導

「学校推薦型選抜入試」や「総合選抜型入試(旧AO入試)」に代表される多様な入試制度が近年注目を集めている。同校でも、東大・京大への推薦入試で合格者を輩出している。この実績に大きく貢献しているのが、「読書・論文指導」だ。「文部科学大臣賞」のお墨付きであるこの取り組みは、文章の書き方だけではなく、論理的思考力や表現力を培うことができる。「昨年度、推薦合格を果たした生徒が、面接で一位の結果を残しました。この取り組みでは面接の指導もしているので、その成果が表れたことがうれしいですが、何よりその生徒に対して非常に誇らしいです。大学は、もはや偏差値だけで入る時代ではありません。これまで物事をどのように考えてきたのか、そしてこの先ライフワークとして何を学び続けるのかという広い視野を持っている生徒を大学側が求めています。その点では、我々が行ってきた人間教育と論文指導が現代にマッチしていると実感しています」と平岡校長が話す。もちろん、主体的・対話的な深い学びを実現するアクティブラーニングにも注力しており、「知識構成型ジグゾー法」を取り入れている。これは、課題に対する答えを発表すると同時に、他人の意見や批判を取り入れながら、自らの考え方をアップデートすることで、真のコミュニケーション力を身に付ける学習プログラムだ。

その他、特筆すべきなのは「国際コース」。中3の7月から高1の3月までに及ぶ名門校への留学を目指すコースだが、語学力だけにフォーカスしていない。留学前に独自プログラムで茶道や座禅、歴史学習など日本文化に触れる機会を設定し、母国について語る力も養っていく。

伝統を守りながら本質を追求し続けるアグレッシブな教育プログラムによって、総合的な人間力が磨かれていく。

 

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