伝統の情操教育を根幹に
高い教養と豊かな魂を涵養

浄土真宗の僧侶・左藤了秀校祖の言葉「命を育む女性にこそ、高い教養と豊かな魂を育てたい」が教育理念。日々、「朝に礼拝、夕に感謝」の校訓を唱和し、「報恩感謝」の念を育む教育を実践している。「知識ではなく、生きた智慧を身に付け、やさしく、かしこく、うつくしくの教育方針のもと、社会に貢献する高い志を持った女性を育成していきます」と萩原校長。中高6年間を通してじっくりと豊かな心を育み、社会で活躍する“大谷女子”が育っていく。

将来に直結した新教育カリキュラム
高校進級時にセレクトクラス誕生

中学では3つのコースを設置している。医学部医学科をはじめとする医療系学部や難関国公立大学理系学部への進学を目指す『医進』。学部を問わず国公立大学、難関私立大学への現役合格を目指す『特進』。英語力を鍛え、海外留学プログラムなどが多彩な『凛花』。それぞれに特色ある学びを交えながらも、いずれも基礎を丁寧に積み重ねていくカリキュラム構成が自慢だ。

しかし生徒たちの中には、目標が定まらず自分の特性に気づいていない者も多い。そこで特に中学時代、主に『医進』『特進』の生徒を対象としたキャリア教育に注力。現役医師による講演会や医学部への訪問などでじっくりと医療への興味関心を醸成させる。そんな3年間を過ごした後、「医師になりたい」「医学の道を究めたい」と意志を固めた生徒は高1で『S医志クラス』へと進む。このクラスでは、医師として必要な倫理観や職業観を身に付けることに重きを置いている。「患者の意見にしっかりと耳を傾け、心から相手を思いやることができる医師になってほしい。この人物像はまさに大谷の教育理念に通じています。感謝の気持ちを持って、他者のために尽くす人になることこそ、私たちが目指す生徒たちの将来の姿です」と萩原校長は話す。

一方、「医学以外の道を選択したい」と考える『医進』の生徒は『S理系クラス』を、文系に転向した生徒は『S文系クラス』も選択できる。『特進』の生徒は『S理系』『S文系』、または『特進』クラスを選択する。「クラス名のSはSelect(セレクト・選択)を意味します。決して学力によるクラス選別ではなく、あくまでも生徒自身で選び、未来をつかみ取るクラス編成です」。目標と意志が固まった生徒たちは安心して自らの進路実現に向かうことができる。

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