「キリスト教」が建学の精神
関学と同じランバスファミリー

神戸の旧居留地にアメリカ人宣教師・ランバス夫妻とその息子が1886年に創設した「読書館」を母体として「パルモア学院」「関西学院」が設立。その後、1923年に「パルモア女子英学院」として独立し、ランバス一家が注力した英語教育、職業婦人の育成、生涯学習等の人間教育を礎に、多くの卒業生を社会に送り出してきた同校。1940年には「啓明女学院」と改称、2002年には中高一貫の男女共学校として発展。創立130年以上にわたる「キリスト教主義に基づく全人教育」を今に引き継いでいる。

同じランバスファミリーである関西学院との教育協定により、例年90%以上の生徒が関西学院大学に進学する。その一方、10%近くが国公立大学、医学部医学科、関東の難関私立大学等を目指し、受験にチャレンジしている。出会った夢、見つけた目標に向かって安心してトライできる環境がある。

大学につながる学術的学び
充実のチャレンジプログラム

2021年度から中学校で新学習指導要領が導入された。そこでは「主体的・対話的で深い学び」が重視されている。新カリキュラムはこの方向性を考慮しながらも、キリスト教主義に基づいた全人教育に取り組むことに変わりはない。「“本を読め、友と交われ、汗をかけ”をモットーに、人としての土台を作り、基礎学力を鍛え、自ら学ぶ姿勢を育てています」と語る指宿校長。

中3で取り組むリサーチレポート
中3で取り組むリサーチレポート

たとえば週1回、授業として「読書」を実施。中学3年間で「読む力」「考える力」「話す力」を養成しながら教科の域を超えたスタディ・スキル(学問する技術)を習得する。

英語教育では「意思表明とコミュニケーション能力を高める4技能を重視した学び」を実践。基礎から丁寧に学びながら、ツールとして語学力をマスターし、グローバルリーダーとして世界で活躍する人材の育成を目指す。

さらに、高度な情報化社会への急速な転換に伴い、理数系の力が重要視されるようになった。関西学院大学でも理系4学部が新設されたことを背景に、同校では理数系を重視したリベラルアーツ型教育を実施している。クラブ活動でも、数理科学研究会による中3の研究が学会発表された。

数理科学研究会(中3)が学会で発表予定
数理科学研究会(中3)が学会で発表予定

「個を大切にし、多様性を認め合う中で、大学継続校ならではの多角的で深い学び、ICTの活用、4技能を高める実践的な英語教育をさらに推進し、文理横断型の学びを行っていきます」との言葉どおり、学びのジャンルや取り組みは実に幅広い。生徒たちは、受験にしばられない全人教育、知的鍛錬を通して「豊かな6年間」を過ごすことができる。

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