校訓・学順を浸透させるツール
「上宮ルーブリック」で成長を実感

浄土宗の宗祖・法然上人を校祖として、明治初期に開校。校訓の「正思明行(せいしめいこう)」は「正しい思いを抱き、それを実行に移し、継続していくことが大切である」との意味が込められている。この教えを実行する学順として「一に掃除(心身と環境の整理整頓)、二に勤行(日々の努力や精進)、三に学問(そのうえで学び、問うこと)」を標榜。といっても、中学生にこれらの本質を理解させるのは難しい。そこで6年前、校訓や学順を具体的かつ細かな行動目標として可視化した「上宮ルーブリック」を作成。たとえば、〝掃除"でいえば「教室の清掃をしない」に始まり、「公の場所であっても自主的に清掃できる」までの到達度合いを5段階で表示。これらを定期的に確認、振り返らせることで、今の自分に何が不足しているのか、補うべき能力は何か等を気づかせていく。

「豊かな心を育む情操教育の根幹を担うのが、この上宮ルーブリックです。きちんと活用することで、自分自身の成長を必ず実感できます」と水谷校長。記載されているのは宗教観ではなく、実社会の中で多様な人と関わりを持ち、協働するために不可欠な項目ばかり。人間力を磨くための道標として、また6年間の成長記録としても有効なセルフチェックツールだ。

「ローカル」から「グローバル」へ
視野や考えが大きく広がっていく

教室を離れた体験型学習が充実。祖山である知恩院への参拝、芸術鑑賞の他、キッザニア甲子園では英語授業体験を通じて、自立性や社会性を養う。「世界を知る前にまずは母校、そして日本を知る。そうすることで、海外に行っても自分自身や自国について、堂々と話すことができます」。

中3では、ワールドワイドな取り組みを考えていたが、コロナ禍の影響を受け、国内研修(修学旅行)は沖縄に向かう予定。将来に向けた準備として、中1からネイティブ教員によるオールイングリッシュの授業を実施しており、言葉に不自由なく現地でのアクティビティを楽しむことができる。日々の英語教育についても、クラスを2分割した少人数制、「英検対策講座」等のバックアップ体制を確立。その他、海外語学研修といった語学習得プログラムは希望制ながら、手を挙げる生徒が多い。こうした様々な体験を通して、ローカルからグローバルへと学びのフィールドを広げていく予定である。

ネイティブによる指導で「生きた英語」を習得

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