自らをデザインする力を養う
「自律・自立・自率」

 昨年度から中高一貫校としてスタートしたばかりであるにもかかわらず、今年度の志願者数は昨年度の約1.5倍を記録。「未来の予測不可能を意味するVUCAの時代に、子どもたちが社会を生き抜いてゆくには、改めて本質を捉えた教育が不可欠です。大学入試に限らず、その先を見据えたより深い学びの内容が実を結んでいる結果だと考えています」と田中良樹校長。新型コロナ禍が続く未曾有の状況下で、3つの「ジリツ」をスローガンに掲げた。まずは他者や社会に振り回されず、自らを律する自律。2つめが保護者からの精神的な自立。そして、リーダーシップを意味する自率だ。「リーダーシップといっても、チームや誰かを率いるだけでなく、周囲にも心配り、気配りができる参加型リーダーシップの意味を込めています」。

熱い想いで生徒と向き合う田中良樹校長

 自律・自立・自率のスローガンは、クラブ活動にも大いに成果を発揮している。全国大会常連のチアリーダー部はすでに有名だが、理科部の活動も大きな成果を上げている。「宇宙エレベーター競技大会」では全国大会へ出場、「WRO(ワールドロボットオリンピアド)」では、全国ベスト3に入るなど、目標を決めて取り組んでいる。学校生活を通じて自分の人生を自分でデザインする力が自然と備わっていく。

好奇心が刺激される
独自プログラム「Jタイム」

 中高一貫校としては珍しく、先取り学習を行わない。「改めて原点に立ち返り、中学3年間はとことん知識や教養を積み上げる。重要なのは、そこで学習内容をじっくり生徒自身に落とし込んでいくこと。先取りにはこだわらず、“深掘り”に重点を置く。もちろん、その中で高校の範囲に触れることもあるが、基礎ができているので生徒たちに抵抗感は見られない」と言う。

Jタイムでのプログラミング授業

 さらに、この“深掘り”に象徴されるのが、Jタイムという自主参加型の放課後講座だ。もともとは朝テストの補習時間として設定されていたが、学ぶ楽しさをもっと味わってほしいと、普段の授業とは違った観点で講座を開講。論理的思考が身に付くプログラミング講座、文化と共に学ぶ韓国語・中国語講座など、双方向でアクティブな学びの時間となっている。「Jタイムの狙いは、自分で選んで、決めて、努力して、理解をつかみ取る。つまり社会を生き抜く根本的な力を養うことが大切」と田中良樹校長は話す。能動的に学ぶことで、つまずいたときの対処法が見つかり、「本質を捉える力」が中学3年間で大きく伸びるという。

次ページ → 学習意欲をかきたてる「理数探究」「グローバル」

1 2 3