建学の理念を核とした人間教育
「できる」がどんどん増えていく

 「清く 正しく 優しく 強く」を校訓に、一人ひとりのこころを大切に育み、社会で活躍する女性を育成している歴史ある学校だ。「社会でイキイキと輝く女性を育てたいと思っています。そのために、女子校だからこそ培われる人間力、友人や周囲と協働する力、そして何事も“できる”から始まる自信を中高6年間で養ってもらいたいです」と中林副校長。

 生徒たちは普段の学校生活の中で、何でも“できる”という経験を積み上げていく。女子だけの環境で育まれるのは、たとえば、一人でできない力仕事も協力し合えば女子でもできる、和光会長(生徒会長)が女子なのも当たり前、理系に進学する女子がたくさんいるのも当たり前という、“何でもやれる”“何でもできる”という意識である。生徒会長や体育大会の応援団長に立候補する生徒が多く、毎年熾烈な選挙となる。選挙では普段の言動が評価されることになるので、その場しのぎではかなわない。必ずといっていいほど人望のある生徒が選出されるそうだ。校訓を体現したかのような生徒がリーダーとなり、周囲へ影響を与えることで、甲南女子の生徒たちは社会へと自信を持って飛び立っていける。

美しいキャンパスロケーションで豊かな心を育む
美しいキャンパスロケーションで豊かな心を育む

「アサーショントレーニング」から始まる
大学卒業後に続く学び

 中1・中2を基礎期、中3・高1を充実期、高2・高3を発展期と称し、各段階で成長ストーリーを「尊重」「対話」「環境」「探求」をテーマに据えている。

 中1では「尊重」をテーマに、「アサーショントレーニング」を導入。スクールカウンセラー監修のもと、他人を思いやりながらも自分の意見を伝える力を養うプログラムだ。友達同士でも意見が違うことを認め、理解を深める学習で、いじめにつながるような思考を抑制する効果もある。

 中2のテーマは「対話」。身近なテーマの哲学対話、平和や地域の問題に関する議論など、聞く・語る経験を重ね、人の意見を受け止める力、自分の思いを人に伝える力、答えの出ない問いを考え抜く力を育てる。

 中3になると「環境」をテーマに据え、さらに視野を広げる。SDGsの課題を切り口に1年間の調べ学習を行う。校外学習や外部講師を招くなどの時間を設け、あらゆる角度から物事を見る力を養うことを目標とする。

 続く高1では「探求」がテーマ。ここでもSDGsを切り口にするが、自らの課題設定と課題解決へと進んでいくことがゴールだ。自分が何に向いているのか、何に興味があるのか、どんな将来を描くのか、という自分自身の内面を探し求める時間となる。この学習は、高2・高3での進路選択時にも生きてくる。

 「各教科の授業をベースに、これらの総合学習が、新学習指導要領で重要視されている“対話的で深い学び”を実現するよう工夫と努力を重ねています。段階を経ながら自らの資質に気づき、賢くて強い女性へと成長してほしい」と中林副校長は願う。

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