自らの可能性に向けて挑戦できるよう
3クラス90人編成の新コース制導入
姫路市内初の男女共学中高一貫校として2014年に中学校を開校して以来、一期生が東京大学に入学、難関国公立大学の合格者が増加するなど着実に実績を重ねてきた。昨年度の志願者数が例年の1.6倍に増えたこともあり、募集人数を増員することが決定。1学年3クラス90人とし、入学時の成績により一貫SPコース1クラス、一貫SAコース2クラスの編成となる。
「これまで2クラス60人で成績によってクラスを分けることなく平等に編成していたが、学力の幅が広いため、一律の授業では学力向上を図るのが難しいこともありました。成績上位の生徒たちには切磋琢磨しながらより学びを深めてほしい。他の生徒たちにはより丁寧なアプローチで上位を目指してもらいたいです」と、新コース制導入の意図を話す大森校長。SP・SAコースとも同じカリキュラム・同じ進度で学習し、学年が上がる際には定期考査とは別に学力到達度テストも実施し、そのときの学力に応じてクラス替えを行う予定だ。「子どもたちの頑張りによっては、今後SPコースが2クラスになるかもしれません。早く理解が進むクラスでは、各教科でより深い学びを提供します。理科の実験も豊富にして探究心を養いたい」と意欲的だ。
哲学教育をベースにした
独自の「キャリア・フロンティア」
同校では、今春も3割以上の卒業生が大阪大学、神戸大学、岡山大学、九州大学など国公立大学に合格。関関同立には50人が合格し、うち中高一貫の生徒は38人が合格、6年間の成果が表れている。

学力養成の核となるのが、「自ら考える」「自分で学ぶ」を重視した独自の教育プログラムだ。向上心を喚起し、豊かな人間力と教養を育む体験型課題研究学習である「キャリア・フロンティア」を通じて、これからの社会で必要とされる能力を高めていく。身近な地域の歴史や伝統文化を学ぶ、姫路研究や京都を舞台とした文化研究、書写山での写経・座禅体験、未来を考えるキャリア教育や命について考える広島・沖縄の平和教育、震災学習、そして大学施設を利用したバイオ・ナノ課題研究等、東洋大学や教員のネットワークを駆使した多彩な学びのプログラムが並ぶ。これらの課題に取り組みながら、情報収集力、情報編集力、情報発信力のほか課題発見力・解決力、コミュニケーション力を磨いていく。レポートのほか、ポスターやスライドなどを使い、時にはすべて英語で研究発表を行うなど、発表の方法も多彩だ。こうした課題発見から問題解決への探究を発表する学びは、大学での研究、さらには建学の精神である哲学、社会貢献につながっていく。
次ページ → 真の国際人を育てる 多彩なプログラムの数々